きっと、大切な記憶のはずなのに忘れたままなんてイヤだからな。






真「……ああ。思い出す。必ず、な。」




絶対に。



それがどんなに辛くて苦い思い出だって、逃げない。


俺はあいつと向き合っていきたいから。




真「絶対に思い出して、昔のように過ごせるようにしてやる。」





渚が姫であったときのように。



一度、歯車がずれたのならそれを元に戻せばいい。




元の、本来のあるべき状態にすればいい。





きっとソレを実行するためには俺が渚との記憶を取り戻すのが近道だろうから。





そう思ったとき、医者に伝えられた言葉が蘇ってきた。






医者「……部分的な記憶障害はなにかしらの出来事で戻ることができますよ。」





なにかしらの出来事。

そんなのがいつ起こるかわからないけど、そのチャンスは明日しかないはず。