「おーい、凛音ちゃーん」



フェロモンダダ漏れ男が手をヒラヒラさせながらあたしを呼んでいるけどガン無視。


だって、構ったら絶対ウザイやつだって、アレ。


胡散臭いんだもん。笑顔が。



っていうか、全体的に胡散臭い。





あぁぁぁぁぁぁ!


ホント、有り得ないんですけど!


何なの、この状況。


中田だけでも勘弁してくれって感じなのに、余計なものまで現れたし。



あー、もうホント有り得ない。


神様、あたしに恨みでもあるんじゃないの?


じゃないとオカシイでしょうがこの状況。



だって今だよ?


中田に『あの人達とは関係ない』発言したの。


今言ったばかりなのに……!


ホント、有り得ない!!







「やっと来たか」


「……って知ってたのかよ!!」



今、中田の口から聞き捨てならん言葉が聞こえたんですけど!



「あぁ、知ってたぜ?さっきの電話はコイツ等が来たって事を知らせる為の電話だったからな」


「なっ……!?」



嘘でしょ!?



開いた口が塞がらないとはまさにこの事だと思った。


まさか中田が知っていたなんて……!



っていうか、じゃあさっきの会話は……?



「アンタ、アイツ等が来る事知っててあたしに聞いた訳!?」




中田は知っていたんだ。


あたしがこの人達と関わっていた事を。



それを知っていてさっきの質問をしたというのなら、中田はあたしの反応を見て楽しんでいたという事になる。



なんて性格の悪い奴なんだ。