「…………」
……幻聴だ。幻聴に違いない。
聞き覚えのある声だけど。
忘れられない声だけど。
断じて違う。
絶対違う。
アイツの声じゃない。
きっとあたしの耳がおかしくなったんだ。
うん。絶対そう。
ぜった───
「あーあ。彼方のせいでバレちまったじゃねぇか」
……ガクン。
一階の教室の窓からひょっこり現れた五人の男達を見て、ガッツポーズから一変、ガックリと脱力してした。
だってそこにいたのは……。
「俺のせいにすんなよなー。あのままいってたら俺よりも先に煌の方が吹き出してただろーが」
あの、爆笑男達だったから。
……っていうか、見た事ない男までいるし。
失礼男に爆笑男。
クラスメイトの陽きゅんに愛しの王子様、壱さん。
その他にもう一人。
爆笑男の隣に見知らぬ男が加わっていた。
「はじめましてー」
初対面と思われる男と目が合って、ニッコリと微笑まれる。
「うげっ」
目が合った瞬間解ってしまった。
この男は“面倒臭い男”だと。