「………ちょっと待て」

「なによ」

「お前、今なんつった?」



あたしの言葉にヒクヒクと口角を引き攣らせる中田。



「S、M?」



初耳だとでも言うような表情を浮かべるキモ男に、またもや凛音ちゃん大爆発。



「とぼけても無駄だっつーの!仲間に誘ってんのはあたしがアンタの股間蹴ったからなんでしょ!?

悪いけどあたし、そういう趣味ぜんっぜんないから!だから、アンタの仲間になんか絶対ならない!同じ趣味の女を求めてんならどーぞ他の子を探して下さい。あたしはお断りだから!!」



ビシッと頭上で大きく×印を作って拒否。


フンッ。これで納得したでしょ!?

あたしはSじゃないんです!

だから中田の所へなんか絶対に行かないもんね!



妙な達成感が生まれ、人目もはばからずガッツポーズ。


言いたい事を言い、すっきりした所で次の言葉を発しようとした、その時だった。



「ブハッ!!もう駄目だ!堪えらんねぇ!」


「ちょ……!彼方我慢しろ!」


「無理っ!絶対に無理!!だってSMだぜ!中田がM!ギャハハハハ!あの子超面白ぇー!!」


「だから言ったじゃねぇか、面白ぇ奴だって」


「聞いてたけど、まさかあそこまで面白ぇとは思ってもみなかったんだよ!だってさ、見てみろよ。あの子めっちゃガッツポーズしてんだぜ!?面白すぎんだろ!」