「鳳皇と関わるからこんな目に合うのよ!早く出てけ!」


「そうよ!出てけ!」



当たる回数が増えてきて、女達の顔が歓喜に歪んでいく。


ここであたしが反撃に出れば大人しくなるんだろうけど、妃奈が人質になっているから手が出せない。



どうすれば……。





そう考えている時だった。







「テメェ等何やってんだ!!」





背後から聞こえてきたのは、怒気を孕んだ叫び声。







「ひっ……!」



その声が聞こえた瞬間目の前まで迫っていた棒が女の手から滑り落ち、音を立てて地面に転がった。


それを見て、ガクンと抜ける足の力。



「……っ」



地面に片膝をついて、浅い呼吸を何度も繰り返す。


……頭が、痛い。




「凛音ちゃん!大丈夫!?」


「……壱さん」



顔を上げれば、壱さんがあたしの元へと駆け寄って来てくれていて。


心配そうなその顔にフッと笑みが零れ落ちる。