「ムカツク。何なの、その偉そうな態度!!」



足元に転がっていた棒を掴んで、あたしに向かって思いっきり振り上げる主犯格の女。


顔面目掛けて振り回された棒を一歩下がって軽々避けると、女は信じられないと言った表情であたしを見た。


けれど、それもすぐに険しい表情へと戻り、仲間の女達に協力を求めて殴りかかってくる。



「遅いよ」



武器を持ってるからと言って、喧嘩もした事ない女達にあたしが負ける訳がなく。


万が一負けるとしたら……。



「手出したらこの女ボコるぞ!!」



こんな風に人質を危険に晒された時だけ。




「凛音ちゃん!!」


「……っ、妃奈!!」




よりにもよって妃奈を拘束してるのが男だなんて。


女だったらどうにか出来るのに。












「コイツ、ちょこまかウザイ!!」



あたしが避けるもんだから、女達に容赦がなくなってきた。


振り回すスピードが速くなり、四人同時に攻めてくる。


さすがのあたしも四人同時に来られたら避けきれなくて。



「……っ」


「凛音ちゃん!!」



直撃とまではいかないけれど、確実にダメージを受けていた。