よし、着替えに行こう。
着替える為、体育館の隣にある更衣室へと歩き出す。
体育で怪我するとか、ホントツイてないよね。
怪我したのをバレたら、また煌に鈍臭いって言われるよ……。
でも自分でも最近、鈍臭いって思うんだよね。
……まぁ、それは階段限定だけど。
あたし、運動神経は悪くないと思うんだけどなぁ……。
やっぱりアレは階段の呪いだ。
なるべく階段上がる時は慎重に上がろう。
そう強く決意をして更衣室に入り、着替えを済ませた。
えーっと……、確か保健室って二年生の校舎にあったよね?
更衣室を出て、向かうは保健室。
───ガッ。
「わっ!」
っとっとっと。
あっぶな!石に躓いてこけるとこだったよ。
あー危ない危ない。さっき鈍臭いって言ったばかりなのに。
これ以上傷は増やしたくないし。
体育館の横にある更衣室は体育の時しか使わないせいか地面がコンクリートではなく土で。
今日みたいな雨の日は水溜まりが出来ていて最悪のコンディションになっている。
……ん?
目の前にある大きな水溜まりを避けながら歩いていると、ふと感じたのは人の気配。
嫌な予感がして、直ぐ様足を止めると、
「桐谷くん達から離れてよ」
振り返る前に女の声が聞こえて。
それと同時に左肩を思いっきり押された。