ガシッとあたしの両肩を掴み、上から下まで視線を這わせる彼方は放っておいて、みんなにペコリ、頭を下げる。
「見つかって良かったです!もう落ちないで下さいね!」
苦笑しながらも優しい言葉を掛けてくれるみんなに泣きそうになる。
迷惑掛けたのにみんな優しいね。
「りっちゃん、十夜のとこ行ってやってよ。アイツも心配してたからさ」
「え、十夜が心配?」
あたし、倉庫へ行くって嘘ついたのに?
「そう。すぐ見つかると思ったのに見つからなかったからさ。もしかしたら中田に拉致られたんじゃないかって心配だったみたい」
「……ぁ」
そう、か。あたし今中田に狙われてるんだった。
突然姿を消したらそう思うのも無理はない。
あたし、みんなに心配かけちゃったんだね。
「ごめんね……」
「んーん。何もなくて良かったよ。ホラ、元気な顔十夜に見せてやって」
「うん」
「あ、三人はちょっと残って」
あたしの頭をポンポンと優しく撫でながら三人を手招きする彼方。
手招きされた三人は鳳皇メンバーと仲良く談笑中だったようで、彼方の呼び掛けに三人揃って此方へと歩いてきた。