ドアを開けて車から降りると、そこには見慣れた風景があった。
どうやら家ではなく倉庫に来たらしい。
という事は、上には彼方と十夜がいるって事だよね。
さっき、煌が車の中であたしを見つけるまでの経緯を教えてくれた。
簡単に説明すればこうだった。
あたしが脱兎の如く教室から飛び出していったのを見て、オカシイと思った陽が十夜に連絡。
連絡を受けた十夜は学校に陽と煌、そして一部の人間を残し、壱さんと一緒に溜まり場へ。
残りの鳳皇メンバーには街中を捜索させた。
そして、学校に残った人達が手分けして捜していると、千暁くんが保健室であたしを発見。
すぐに学校内にいた陽に連絡し、保健室に来た。
で、今に至るという訳だ。
まさか寝ている間にそんな大騒動になっていたなんて思いもしなかったよ。
「りっちゃん大丈夫!?さっき煌からメール来たけど階段から落ちたんだって?」
車から降りると、数メートル先に彼方と鳳皇メンバーがいた。
あたしの姿を見るなり駆け寄って来てくれるみんな。
「あはは。ご心配おかけしました!大丈夫だよ!みんな捜しくれたんだよね?ごめんね。ありがとう!」