「凛音ちゃん!保健室にいたって聞いたけど大丈夫!?」
「お前、何してんだよ」
車に乗り込むと、車内に居たのは壱さんだけじゃなく煌もいて。それはもう般若のような形相で怒られた。
それもその筈。
だってあたしは倉庫に行くと言っておきながら逃亡したのだから。
怒られても文句は言えない。
「いや、あの、ごめんなさい……」
だから素直に謝った。
それから、保健室にお世話になる羽目になった逃亡劇を暴露させられたあたしは、これまたこっぴどく叱られた。
壱さんには「それだけで済んでよかったよ。でも気をつけてね。特に階段は」と念を押され、煌には「お前は馬鹿か!何回階段から落ちる気だよ!とりあえず下見ろ!」と頭を叩かれ、もう散々な目に合った。
煌のお小言に解放されたのは車が停車した時で。
停車した時にはもうやつれまくっていた。
誰かに押されたこと言わなくて本当に良かったと思った。
言ったら更に怒られるし、それに、大事(オオゴト)になりそうな気がしたから。
学校で起きた事だし、言う必要なんてないよね?