お断りメールを送信し終え、放課後何買おうかなぁなんて考えていると、一分も経たない内に返信がきた。
早っ!
早すぎる返信に突っ込みを入れながらメールを開けてみる。
【用事って?っていうか来い!】
……は?強制!?強制ですか!?
あたしの意見を丸無視した内容に思わずその場で叫びそうになった。
冗談じゃない。あたしは買い物に行きたいの!
っていうか、来いって言われたら行きたくなくなるのがあたしの性分なんだよね。
という訳で、あたし、今日はトンズラさせて頂きます!
【分かった!】
行かないけど、取り敢えずそう返信しておいた。
これだったら煩くないからね。煌しつこいもん。
兎にも角にも、壱さんが門に来る前に学校から出なきゃいけない訳で。
となると、帰りのホームルームが終わったら即行ダッシュするしかない。
でも、万が一壱さんに会ってしまったら……。
うん、絶対に逃げられない。
あの笑顔で呼ばれたら最後、逆らう事なんて絶対に出来ないからね。
あたし、イケメンには弱いんです。
となれば……。
あ、そう言えば、確かこの学校って裏門あったよね?
確かインテリア科の校舎の方だったはず。
イマイチ場所が分かんないけど、行けばなんとかなるかも。
……なんて、お気楽に考えていたあたしは、この後とんでもない事が起きるなんて思ってもいなかった。
この日、ちゃんと溜まり場に行っていれば平穏な日々を過ごせたのかもしれないのに。