沖田さんに待っててと言われてあたしは立って待ってた。


沖田さん遅いな…


ドン


軽く相手がぶつかってきた。


軽くだったからあたしは転ばなかった。


今日はよくぶつかるな…


「大丈夫ですか?」


え…あの声と同じ声の人…


「う、うん。大丈夫…」


「そうですか。あ、お詫びに金平糖差し上げます。一粒食べますか?」


金平糖…。


あたしが持ってたっていう物だ。


「食べる。」


「僕少し前が見えないから手に人粒のせてあるので取って下さい。」


「あたし…目を隠し……目が見えないからごめんけどあたし取れないや。」


「目が見えない…?」


「うん。まぁね…」


「そうですか。目が見えないのでしたら僕の顔隠す必要ないですね。……この傘は。」


「あ、ごめんね。あたし日光弱くて…。傘差さないと駄目なんだ。」


あたしは器用に傘を回して見せた。


そんな時沖田さんがあたしを呼ぶ声が聞こえた。


「みかさーん!」


「あ、あたし待ってる人がいるの。ごめんけどその、金平糖は受け取れない。」


あたしが断るとあの声の人はあたしの手をとって何かを手の中に載せた。


「全部あげますよ。」