あたしは腫れる目を隠して、小五郎さんと島原というところへ向かった。


向かう時も手を繋いだ。


さっきのことがあって気まずいと思ったけど小五郎さんはいつも通りだからあたしはそこまで気にしてなかった。


途中晋作さんと合流して三人で向かった


「お、巳甘。紅をつけたのか?」


「うん。小五郎さんにつけてもらった。」


「へぇ。桂もよく…ゴホゴホッ。」


いきなり晋作さんが咳き込んだ。


「大丈夫?!」


「大丈夫だ。風邪が少し長引いてな。」


そういえば最近ずっと晋作さんは咳き込んでる。


ただの風邪だといいんだけど…


「高杉お前の咳…。もしかして、ろ「桂、言うなよ。」」


ろ…?


晋作さんが途中で遮るから分からなかった。


聞きたかったけど、聞ける雰囲気じゃなかったからやめた。


「島原ってどういうとこなの?」


「お酒飲むとこですよ。」


「お酒かぁ。いつも小五郎さん達飲んでるけど美味しいの?」


「美味いぞ。今日飲んでみるか?」


「駄目ですよ。酔うと酷そうですし。」


「あり得るな。」


そんな他愛もない話をしながら島原というところへ来た。


「着きましたよ。」


あたし達はどんどん先へと進んでいく。


先に行くに連れて女の人の声が沢山聞こえる。


男の人たちの笑う声、晋作さんがよく弾く三味線の音…


たくさんの音が聞こえる。


「高杉はんと、桂はんやないか。西郷はん達はもうまっるどすよ。」


「案内してくれ。」


独特の話し方の女の人が話しかけてきた。


晋作さんが女のひとに話しかける。


女の人は「すぐ案内しますわ。」と歩いていく音が聞こえる。


あたし達もそれに続く。





「さあ、つきましたどす。」


「では。」というと女の人は何処かに行った。


「失礼します、桂です。」


「失礼します、巳甘です。」


「失礼。」


あたし達は部屋の中に入った。


「おお!遅かったきに!もう、はじめちょる!」


「あ、巳甘や。待ってたんよ。」


「遅い。」


「お久しぶりですね。」


上から龍馬さん、お龍ちゃん、西郷さん、伊東さん。