僕も足を止め、亜希を振り返る。 僕と亜希を、たくさんの人が追い抜いていく。 「あの日の約束に守られていたのは、僕だったんだよ。 ねぇ、亜希。 僕もそろそろ、亜希から卒業しなきゃいけないね。 色々苦しめて、ごめんね。」 胸が引きちぎれそうだ。 けれど、力を振り絞って微笑む。 前に向き直り、歩き出す。 泣き出しそうな悲しみを抱え、校門をくぐった。