朝。


すべてが塗り替えられたように新鮮に始まる。
制服のシャツに腕を通すのも久しぶりだ。


歩く道、街並みが切なく思える。
角を曲がると、亜希の家が見えた。


家の前には、亜希が立っている。

『お、おはようっ、ジローくんっ』


気まずそうな亜希を見て、胸が痛む。


「おはよう、亜希」

努めて、笑顔を返す。