「…自分勝手な事はわかってる。 けど…、」 引き離すのをやめる。 「亜希を失うのは…、 それだけは嫌なんだ…っ」 恐怖なのか、悲しみなのか。 得体の知れない感情が押し寄せて喉が詰まる。 亜希の肩におでこをつける。 亜希が驚いた様子で顔を上げた。 『ジローくん…?』