どちらとも取れる言葉を残して、

渉は帰っていった。



カーテンから見える青空。

家が狭い道路沿いに建てられているため、電線が横切っている。


ぼーっと眺めていると、階段を登る音がした。


ドアが開く。

『ジローくん…起きてる?』


「うん。起きてるよ。」

答えると、亜希の肩が見えた。

両手が塞がっているのか。


「ちょっと待って、手伝うよ。」
『あ!いいから!大丈夫!』


明るく答えると、器用に部屋に入り、
サイドテーブルにお盆をおいた。

お盆の上には、少人数用の土鍋。

お椀とれんげが2つずつ。