茶色の頭が勢いよく振り返る。 『ジローくん…っ!』 亜希がベッドへ駆け寄ってくる。 『怪我は!? 熱は!? 大丈夫!?』 ぐいぐい詰め寄ってくる。 「ちょ、ちょっと!な、なんで?」 『あ、あのね、』 『俺が連絡したの。 そしたら、ジローちゃんのママさんが、亜希ちゃんのママさんに鍵を預けていったっていうから。 亜希ちゃんにも来てもらった。』 渉が続けた。