キーンコーンカーンコーン



「さようならー」



学校が終わり、自分の住んでいるアパートの前に来たとき、倒れている人がみえた。



「っ、お母さん!?」



階段から落ちたのだろう。ピクリとも動かない。



「お母さん!しっかりして!今、救急車よぶからね!!」



ピーポーピーポー




数日後、お母さんは手術を受け、一命は取り留めたが足が動かなくなってしまった。しかも、不運は重なった。



お母さんにガンが見つかったのだ。悪性ではなかったので、取り除けばよかったのですぐに摘出したが、身体が弱ってしまった。



結局、お母さんは仕事を辞め、寝たきりの生活になってしまった。



もともと、母子家庭で中学三年生の弟と三人で、アパートで暮らしている私の家の家計はギリギリだったのに、お母さんの手術や通院費、薬の代金の支払いのため、貯金は全て無くなり、借金が一千万円残ってしまった。



家族三人が生活していくには私が稼いでこなくちゃ。



今の、バイトでは到底無理だ。



そのとき、町で配っていた求人チラシが入ったティッシュが目に入った。



それをよく見てみると、時給3000円ではないか!



お店で注文取るだけで、時給3000円!?



しかし18才未満の方はご遠慮下さいと書いてあった。



残念良いバイトだと思ったのに…



何気なくティッシュを裏返してみると、何やら下の方にとても小さな文字で゛学校帰りの制服゛でもOKと書いてある!



これは、つまり高校生でも良いということなのかなぁ?



ちょっと、電話してみよう。