「ただいまー。」



もう、お母さんととおるは寝てるだろうなー。



2人は早寝早起きなのだ。



今日は、ずっと神木さんと一緒にいれて楽しかったなぁー。



多分、神木さんはとてもやさしくて格好良くて、お金持ちだから、綺麗で完璧な彼女さんとかいるんだろうな…。



ズキッ



胸が痛むよ…。



やっぱり私、神木さんが好きなんだ…。



「お姉ちゃん?」



どうしよ…。とおるを起こしちゃった。



「帰ってきたんだ。あれ、どうしたの?何か泣きそうだよ?」



「そう見えた?大丈夫だよ。なんでもないから、心配しないで…。ごめんね、うるさかった?」



「いや、違う。たまたま起きただけ…。ご飯は?」



神木さんは私に、これから毎回食べて帰っていい、と言ってくれた。



食事代が浮くのでお言葉に甘えることにした。



「ごめんね、とおる。これから毎日この時間に帰るようになると思う。とおる、料理できるよね?これから、家事とか頼んだよ。ごめんね、こんなに色々押しつけちゃって…」



「何言ってるの?お姉ちゃん。俺、部活辞めたし、まだ中学生でバイト出来ないから、働いてるお姉ちゃんの替わりにそれくらい喜んでやるよ。お姉ちゃんも頑張り過ぎないでね。」



私は本当に良い弟に恵まれたと思う。



「ありがとう。とおる。」