彼に教えてもらった、住所を訪ねた。
そこは、東京の一等地にあるマンション、いや億ションの最上階だった。
その、豪華さに感嘆しながら部屋のベルを鳴らした。
すぐに神木さんが部屋に入れてくれた。
「今日、この時間にたまたま家にいたけど、いつも帰ってくるのは夜だから。合い鍵わたしとくよ。」
彼は私を信用しすぎてると思う。
もし私が、泥棒とかだったら、どうするつもりだろうか。
思わず笑ってしまった。
「どーした?」
「なんでもありません。」
「そうか…」
神木さんはすぐに書斎に入って仕事を始めてしまった。
部屋の中はとても綺麗で生活感がなかった。
それでも広いので、掃除には時間がかかった。
洗濯をして、料理でもしようかなと思って冷蔵庫を開けたら、中にはほとんど物が入ってなかった。
今まで神木さんは何を食べて過ごしてきたんだろう…