「まぁいつもと同じように振られたよ。でも、私どうしてもこのまま終わりたくなくて、どうせ付き合えないならって思ってキスした。」





「キス!?」





「そう、キス。突き放してくれればいいのに、怒りもしないで『ごめんな』って言うだけで。『突き放してよ、報われないのに優しさなんていらない!』って言って逃げて帰った。まぁ見事にそこを見られてて、噂が出回って、今日呼び出されたという話。」





他人事じゃなくて。





「『私が無理矢理した、私が勝手に好きでずっと振られてました』って校長に言うとき程虚しいものはなかったよ。先生も立場を考えて行動するように、って悪くもないのに怒られちゃってほんとに最低だよ、私。」





そういってうつむく美樹を私はどうすることもできない。