あまり、人懐っこいタイプの子ではなさそうだけど、そこまで尖った雰囲気もない。



「これからも、千夜ちゃんのことよろしくね」



ぽんぽんと千夜ちゃんの頭を撫でながら言えば、彼は短くそれに答えてくれて。



「じゃあ、俺は帰ります」



「うん、ありがとう」



一瞬、ちらっと彼の視線が千夜をとらえる。




「千夜ちゃん」



「………」



「千夜ちゃん?どうしたの、」



「ママ、」



「千夜。話は後で聞くから、とりあえずお礼は言いなさい?」



私が千夜と呼ぶのが珍しいからか、彼女は一瞬戸惑って、そしてゆっくりと私から離れた。



「雅……送ってくれてありがとう」



「ああ」