え、うそ。



「そうでも、ないんだけど」



「顔色悪かった。

だから昨日はある程度自重したんだけどな」



ふっと微笑まれて、なぜか頬が熱を持つ。



あれ、なんか恥ずかしいんだけど。



「だいぶ休めただろ?

千夜は11時半ぐらいに帰ってくるって、さっき連絡あった」



「うん、ごめんね……ありがと」




とりあえず見送りだけは、と起き上がろうとすれば、優しく頭を撫でられて。



「もうちょっと休んどけばいい」



「でも、」



「識音」



反論しようとすれば、彼の唇が私の声を遮った。