夕暮れの優しい光が差し込んでくる音楽科音楽準備室。 俺が弾くピアノに合わせて呟くように歌う彼女の声はこの風景とぴったりと合っている。 ーーっておいおい、また音がどんどん上がっている。気持ちよさそうに歌う彼女は気づいていないだろう。俺は彼女に合わせて調を変えた。 うたを、うたうこと ~プロローグ~