ユーキの癖は知っている
８年前と変わってはいないはずだから

ユーキは悪いことをしたと思うと下唇を噛む
その癖はタクヤから教えてもらった
それともう一つ嫌なことや悲しいことがあると
ユーキはいっつも高い所に登ろうとする
だから、いる場所は大体の検討はついた

屋上……

私は一気に階段を駆け上がる
そして見つけた
屋上のフェンスにもたれ掛かりながら
ボーっとしている赤毛の男子

赤毛なんて、今時あんまりいないもんね

そして声をかける

｢ユーキ？｣

そう呼びかけると

｢なんで来たんだよ｣

そう言ったユーキの顔はどこか切なそうだった
だから、やっぱり人を殴る気はなかったんだろう……

｢変わってないね、嫌なことがあると高い所に行こうのするの｣

そう言うとユーキはとても悲しそうな顔で

｢変わったよ｣

そう言った

｢確かに見た目とか変わったかもしれないけど中身の部分は何も変わってない｣

その私の発言にユーキは顔をあげて

｢どう言う事？｣

そう聞いてきた

｢さっき、藤野くん殴ったとき、本当は殴る気なかったでしょ？｣

これを聞いてユーキは、図星を突かれたような顔をしていた

｢なんで、殴ったの？｣