――ユーキside

「ユーキなの……?」

最初に投げかけられた質問
ユーキなのって、ユーキだよ
見た目はさ……
中身は多分お前が知ってるユーキじゃないだろうな……

「見ての通り……俺だよ」

自分に嘘をついた気がした
ユーカを騙した気がしたから…

「久しぶり……だな」

話を変えようとして
違う話を振る

「うん……」

だめだ、会話が続かない

「んなに、緊張すんなよ!幼なじみだろ?」

この言葉を発したときユーカはとても嬉しそうな顔をしていた

「ねぇ!今日ご飯食べていってよ!」

そう誘われたときは嬉しかった……
あの約束を覚えてくれていたのかと
勘違いしてしてしまう
そんなはず無いのに

でも、これ以上ユーカと一緒にいると
ユーカを壊してしまう、汚してしまう気がした

「あー、今日は用あるから……ごめんな」

用なんてなかった
もっと一緒にいたいけど
これ以上ユーカを好きになっちゃダメなんだ

「なにが?」

まて、なにが?ってお前は記憶喪失か!?

「お前…今俺にご飯食べてけって誘わなかったか?」

「用あるなら仕方ないから!また空いてる日来てよ!」

こんな優しい言葉も今の俺は
そう簡単に受け入れることはできない

「さんきゅーな」

そう言って早々と部屋を出た