「誰?さっき誰かの視線を感じた気がしたんだけど。」
「うん、俺も誰かが見てるような気がする。」
なんだろう。嫌な予感がする。
早く陸の家に行こうと走り出したそのとき。
「こんにちは。
力がまだ開花していないと聞きましたが、少々気を緩めすぎましたね。
手荒なマネはしたくはありません。
三橋家のお嬢様。
黙ってついてきてくれればそこの大事な弟さんにも手は出しません。」
・・・誰?
なんであたしのこと知ってるの?
でもこの人についていっちゃ絶対にダメ。
あたしの直感がそう告げていた。
「誰だか知らないけど、あなたについて行く気はないわ。
早く帰ってちょうだい。」
これで帰ってくれるとは思っていない。
でも幸い目の前に陸の家がある。
何かあればすぐに助けに来てくれるだろう。