それから数週間の間、先生からの連絡は来なかった。
あんなに毎週のように遊びに誘われてたのに。
汚れてしまった心を見透かされるのが怖いくせに、連絡がこない日々に少し落ち込んでしまう。
いったい私は何がしたいんだろう。
講義を受けながらぼんやりと考えていると、ポケットに入れている携帯が震えた。
久しぶりの陸からの誘いだ。
いつものようにOKの返事をする。
そして、その後の講義には出席せず陸のアパートへ向かった。
大学からはそう遠くない陸のアパートへは、いつも歩いて行く。
もう少しで着くというタイミングで、携帯が鳴った。
ディスプレイを確認すると、陸の文字。
「もしもし?どうしたの?」
「わり、今から彼女がアパートに来るらしくて、1時間くらい時間空けて来れね?」
いままでも何度かあったこのお願い。
なんでも、彼女のバイト先がこの近くで、バイト前に少し陸と会って出勤する日があるみたいだ。
別に陸が誰の事を思っていても私には関係ない。
1時間後でも、私を求めてくれるのなら断る理由はなかった。
「良いよ。また近くのコンビニで時間つぶして行くね」
そうして、いつものようにアパートの近くのコンビニへ立ち寄った。