「え、す、すごい!!!!ほ、ほんとに?!今までこの曲聞いてたんですか?!」

こんな偶然ってあるんだ、、、!!!
男の子も同じ気持ちっぽくて、ニコッリと笑い返してくれる。

「そーです、ウソじゃありませんよ!!!俺、春が好きなんで、今日この場所でスゲー歌いたいなって、、、。」
「私もなんですー!!!いいですよね、この桜並木!!実は、高校もこれ目当てで選んだと言っても過言じゃありません!!」

早口でまくしたてる私に、彼はふいに今更感ある質問をしてきた。

「え、じゃあ高校は?」
「『花咲高校』です!!」
「それじゃ、年は、、、?」
「高2で16歳!」
「、、、じゃあじゃあ、歌は好き?」
「聞くのも歌うのも大好きですっ!!」

そこまで聞いたあと、なぜか男の子は念押ししてきた。

「、、、ホントに?」
「こんなのウソついてどーなるんですか笑?ホントですよ、ホント!!」

そういってのけると、彼は今にも笑い出しそうなかおになった。
え、そんなに面白かったなあ、今の話。
笑いのつぼ、おかしい系の人なのかな?
そんなことを考えていると、男の子は急に私の片方のイヤホンをとり、みをかがめた。
そして、言ったの。

「、、、おんなじです。」
「え!?」
「だから、、、、学校も、学年も、好きなものも、、、、」

息がかかっている耳が熱い。
ううううわあああ!!!
ちょっと、どーしたのこの人!!
ち、ちかい、近いよう、、、!!
ゆでダコ状態になっている私を気にもとめず、彼はささやいた。
「おんなじなんです。」