キュッ…と、スマホを弱く握る。
消えない、揺るがない事実が
私の世界を淡く歪ませる。
トン…と画面に指を滑らせ、
返信画面に切り替え文字を打つ。
そして一度、出来上がった文章で誤字が無いか確認し、送信ボタンをゆっくりと押す。
直ぐ様送信完了画面に変わったのを確認して、静かにスマホをベッドに置き戻した。
返した内容は、先程の質問に対しての『大丈夫だけどベッドに大人しく寝てるよ』と、
保健室に来ることに対しての『いいよ。』という、顔文字のない素っ気ない内容。
…元から顔文字とかそんなに使わないし。
女子っぽくないメール文に多少どうなんだと思うこともあるが、皆は逆に見やすいから良いと言われたのでこのままにしている。
―――思いの外、メールは早く来た。