教室に入って、本を読み始めた私は、あることを思い出した。

私に全く興味がない人がいるらしいこと。

好きじゃなくても、こんだけ目立ってるんだから、みんな興味は持ってるのかなと思ってたけど。

自意識過剰だったかなー。

でも、こんだけ可愛い可愛い言われて育ったんだし、しょーがないよねぇー。


…って、話ずれてる。戻して…と。


ちょっとその男子、見に行ってみようかな。

どれくらいのものなのか、確かめてやろうじゃないの。


『キーンコーンカーンコーン』


「みんな、おはよう!朝のHR始めるぞー」


ちょうどチャイムが鳴った。

さすが、高橋(先生の名前)。

チャイムぴったりに来たわ。


「これから朝のHRを始めまーす」

「「始めまーす」」


その男子の名前なんだっけ…。

あ。4組の小川君だ。


「起立!礼ー!」

「「おはよーございまーす」」

「着席」

休み時間に行ってみるかぁー。


【そして休み時間。】

「「ありがとうございましたー」」

授業が終わってすぐ、私は立ち上がる。

いざ、小川君の元へ!

「美奈、どこ行くの?」

香織が聞いてくる。私は笑って答えた。

「ふふふ。物好きのとこ。」

面白そうだなー!


廊下を歩いて四組へ。

まぁ、そんなに遠くないからすぐ着くんだけどね。

えーっと…入り口に固まってる男子集団に話しかけるとしますか。

「ごめんね。小川君って男の子はいるかな?」

笑顔で言ってみると。

「え…?中崎さん…!?」

「うわぁ!二組の中崎美奈だ!!」

「ええええっと、おお小川だっけ!?」

大惨事です。

ふふふ。これが私の実力よ!どーだ!

「小川!中崎さんが呼んでる!」

男子が教室に向かって叫ぶ。

教室がざわざわとした。

「中崎さん!?」「え、小川君に用事!?」という声が聞こえる。

そして、みんなの目線の先。注目を浴びているその男子を見て、私は絶句した。

あれが小川君……!?