春人&久阪 side
「なぁ、あいつら夕食に呼びに行かなくていいの?」
久阪が、持ち込んだ夏休みの宿題に励みながら春人に問いかける。
「んー・・。みんな飛行機で疲れてるだろうから、それぞれ部屋に運んでくれって、頼んでおいたよ。」
「あ、そう。」
答えに納得すると、久阪は黙って宿題に向き直った。
すると、ベッドにつっぷしていた春人が顔を上げた。
「いやでも、一応言っておいたほうがいいか。みんなに夕食のこと。」
「そだなー。伝えといて。」
「ん。」
春人が部屋を出て行くと、久阪は黙々と動かしていた腕を止めた。
「そろそろここに来た理由言えよなぁ・・・。一人でぐちゃぐちゃ考えこみやがって。」