そして駅が近付くにつれて、残念なことに同じ学校の制服に身を包んだ生徒達がちらほらと視界に入って来た。

私は相変わらずそのほとんどの生徒に見覚えすらなかったけれど、和也と一緒に居るせいか、やたらと視線を感じる。


「よぉ、和也じゃん?」

不意に目の前に、がらの悪い男の子が四人現れた。
中でも一際目立つ金髪の男の子と、視線が合う。


「あれー?かなうじゃん?」


それは一昨日会ったばかりの愁である事に、私は直ぐに気がついた。
制服を着ていると、やっぱりイメージが違う。

普段なら絶対お近づきにはなりたくない風貌だけれど、愁がとても良い人だと知ってる私は、和也の少し後ろに隠れながら小さく手を振った。


「つーか、学校サボって何してたわけ?」

愁はニヤニヤしながら、和也にそんな事を言う。

「かなうとイチャイチャしてたに決まってんだろ?」

和也は突然楽しそうにそんなことを言い出した。

「は?抜け駆けかよ!?」

「つーか、俺ら付き合ったから邪魔すんなよな。」

「は?ちょっと待て、どんだけ手早いんだよw」

愁はそんな和也に呆れたように笑った。

私はなぜか落ち着かない気分で、更に和也の背後に隠れた。
愁以外の3人が、やたらと物珍しげに私を眺めているので、その視線が痛かった。