凛は本当にぐっすり眠っていた。
和也はそんな凛を見て溜め息を吐くと、無言で私を手招きした。

私は凛を起こさないように、静かに和也の傍に行った。
椅子に座った和也はそんな私を掴まえて、自分の膝の上に座らせた。

後ろから抱き締めるように抱えられると、背中に和也の体温を感じて恥ずかしくなった。


「ごめん、少しだけこうさせて……」


耳元で小さな声で囁かれたその言葉に、余計に恥ずかしかったけれど、もちろん私はされるがままだった。


「お……重くないの?」

「全然軽いよ。」

「なん…か、恥ずかしい……。」

「そう?こうしてかなうに触れてると安心する。」


和也はそう言って、私の頭の天辺にキスをする。
その自然な行動に、なんだかやっぱり和也は女性経験が豊富なのが分かる。

女性に慣れてる人ほど、こういう風に自然に女性に触れる事に抵抗がないんだろうと思う。

私もレオンのおかげで、ある程度こうして触れ合うことには慣れているけれど、やっぱりレオンのコミュニケーションとは全く違う。

何だか凄く恥ずかしいけれど、それでもこうして触れられることは嫌じゃないと思った。
意識しなければ、きっと気にならないんだろうと思うけれど、それは私には難しかった。