「門限・・・ていうのは言われたことないけど・・・。」

「ないけど?」

「・・・遅くなったこと、あんまりないから。」

「本当に箱入り娘だなw」


和也はそう言って笑ったけれど、すぐに真剣な顔になってこう言った。


「でも、これからは一緒に居る時間欲しいし、ママさんに許可もらえるかな?」

「・・・・うん?」

「もちろん、そんな遅くなったりとかはダメだろうけど、たまには一緒に飯食ったりしたいじゃん?」


和也はそう言ってまた優しく笑う。
私はその言葉に、世のカップル達にとってそういうことが普通なんだろうと純粋に思った。

そしてそれにほんの少しだけ、憧れを抱いた。
和也と一緒にご飯を食べたりするのは、きっと楽しいだろうと思う。



「・・・・そうだね。」

私は和也と視線を合わせてそう言った。
自然と顔が綻ぶ。

和也もそんな私を見て、優しく微笑んでくれた。
やっぱり和也の視線は温かくて、なんだか見守られている気分になる。

先行きは色々と不安もあるけれど、ほんの少しだけ和也とだったら上手くやっていけるような気がした。


隣ですやすやと寝息を立てる凛と同じく、何も知らない私にこうして気を使ってくれる和也がとても信頼出来る気がした。