やっぱり、凛は和也を心から信用していると確信した。

憎まれ口を叩くのは、きっと相手を本気で信頼しているからであって、だからこそこんな風に喧嘩をしたり出来るのだと思った。

私は2人のそんな関係がとても羨ましく思えた。
そして、そんな2人と出会えたことは奇跡だと思った。

一昨日からなぜか本当に色々な事があって、正直気持ちはついていけてない部分もあるけれど、それでもこんな風に私を大事に思ってくれている2人に心の底から感謝したい。

思っていることは、きちんと言葉にしよう。


私が顔を上げると、それに気付いた2人は同時に私を見た。

私は出来る限り笑って見えるように、にっこりとした。

「2人とも大好きだよ・・・ありがとう。」

私がそう伝えると、凛は少しはにかんだ笑顔を見せてくれたし、和也は少し照れてるように笑った。

こうして言葉にすれば、大丈夫。
きっと、ちゃんと伝わる。

私はなんだか胸が一杯で、とても幸せな気分だった。


「かなう、和也に嫌なことされたらいつでも凛が成敗してあげるからね。」

「だから、そんなことしねぇよ!」

「本当に大事にしなかったら殺す!」

「・・・大事にします。」


凛の言葉に、そう返した和也の言葉でなんだか凄く恥ずかしい気分になったけれど、同時になぜか胸がざわついた。

それは、全然不快なざわつきじゃなくて、なんだかすごく嬉しかった。