凛はそう言って鼻で笑った。

だけれど和也はそんな凛の態度に、いつもみたいに優しく笑った。


私はなんとなくだけれど、２人が打ち解けたような感じがして顔を上げた。

２人はじっと視線を合わせていたけれど、そこにはさっきの刺々しい空気はなくて、多分私の知らない二人の絆のような物が存在するような気がした。


「ところで、かなうは本当に和也が好きなの？」

凛はそう言って、いつもの優しい表情で私を見た。

私は何て言って良いのか分からなかったので、また曖昧に微笑んだ。

和也を好きかと聞かれれば、好きなんだと思う。
だけれど、そこには恋愛感情というものは存在しなくて、だけど一緒に居たいとは思う。

それは私の勝手な我侭で、ただの好奇心。


「なんか･･･ごめんね。私のせいで、２人ともに心配かけちゃって。」


私は凛の質問には答えずに、２人に向かってそう言った。

それには色々な意味を込めていたけれど、私がそう言ったことによって２人は完全にいつもの雰囲気に戻った。


「かなうは悪くないじゃん。それに、可愛いかなうに変な男が寄り付くより、まだ和也のが少しだけマシだわ。」

「マシとか、ひでぇ言い草だな。」

和也はそう言いながらも、なんだか少し嬉しそうだった。