「とにかく、何を言われても、俺ら付き合うことになったから。」

「は!?何言ってんの?馬鹿なの?かなうがそんなの嫌がるに決まってるでしょ?」

凛はそう言って驚いたように私を見る。


私は急に話をふられて、どうしたらいいのか分からなかった。


「かなう?和也と付き合うの?本気で?どうせ強引に迫られたんでしょ?」

確かに強引に迫られたけれど、それでも了承したのは自分だ。
和也を責める訳にもいかないし、かと言って凛がこれ以上怒っている姿を見たくもない。

私は何も言えず、ただ黙って首を振った。

「え?かなう、本気なの?」

凛はすごくびっくりしたように、私を覗き込んだ。
私は視線を合わせるのが怖くて俯いた。


「確かにちょっと強引だったかもしれねぇけど、凛が心配するようなことは絶対しないよ。」

和也はそう言って、少しおどけたような顔をした。

凛はまた和也を睨んだけれど、何も言わずに顎に手を当てて何やら考え込んだ。


とりあえず、そっとしておいた方が良いのかもしれないと思った私は凛が審判を下すまで和也のベッドのカバーの柄をじっと眺めてた。

黒地に細かな星柄が描かれたそれは、夜空を見ているようでとても綺麗だった。