「かなうを誘ったのは俺だ。かなうから来た訳じゃない。」

「当たり前でしょ?かなうが自分から来るわけないし。」

「いいから、最後までちゃんと話聞けよ。」

「・・・・。」

「一昨日、お前がかなう連れて来た時は正直こんな風にするつもりなかったんだ。だけど、俺今は本気でかなうに惚れてる。」

「は?何勝手なこと言ってんの?あんたが惚れようが惚れまいが勝手だけど、私は絶対許さないし、かなうは私の大事な人なの。それをいい加減なあんたになんか任せられるわけない。」

凛は相変わらずキツイ視線で、和也を睨んでいた。

何だか話が大事になってしまったような気がして、私はさっき和也の家を出る事を選ぶべきだったと切実に思った。


「凛、俺本気だよ。それにいい加減にしてたことは認めるけど、そんなこともうしない。それは凛が一番分かってるだろ?分かってて、あの日俺にかなう送らせたんだろ?」

「送らせたのはあんたがスクール行くって言うから。深い意味なんてない。」

「でも昔の俺にだったら、送ってけなんて言わなかったろ?」

「そんなの当たり前じゃん。」


何だか私は全く会話に参加出来ない、空気みたいな存在になってた。