「この馬鹿に怒っただけだからね、ごめんね。」

凛はそう言って、私の背中を優しく撫でた。
その行動で、自分がきっとすごく顔色が悪いんだろうことが簡単に予想出来た。


「ほんと、大丈夫。ごめんね。」

私はそう言って、また曖昧に笑った。
もうこれ以上心配されたくないし、何より自分の事よりも凛が心配で呼んでもらったのに、何だか酷く自分が情けない。


「まぁ、凛が怖かったんだよなw」

和也がそう言って笑う。

「・・・うっさい猿。」

凛もそう言って笑った。

多分2人とも私に気を使ってくれている事が分かったけれど、それでもさっきみたいに険悪な空気がなくなっていたので、ほんの少しだけ安心する。


「とにかく、何でかなうがここに居るのかちゃんと説明しなさいよ!」


凛はそう言って私の隣にいた和也をどかすと、そのままそこに座った。
相当急いで来たのか、凛はすっぴんでスウェットという姿だった。

そんな姿でも、やっぱり凛はすごく綺麗だった。

私の隣を凛に取られたので、和也は少し離れて座りなおした。


「分かった。ちゃんと説明するから、落ち着けよ。」


未だに和也を睨みつける凛に、和也は静かにそう言った。

私はやっと落ち着きを取り戻して、大人しく成り行きを見守ることにした。