私は黙ってそんな和也を見つめてた。
静かな室内には、携帯の呼び出し音が微かに聞こえる。

しばらくすると、その呼び出し音が止まった。


「おっすー・・・なんだ寝起きかよw・・・・・。」


和也がそう言って私を見る。
残念なことに、耳の良い私でも凛の声は聴こえてこない。


「あー、今さ。かなうが家に来てるんだ・・・・・・・は?いや、んなことしてねぇよ。」


どんな会話が繰り広げられているのか分からないので、私はじっと和也を見つめて黙ってた。


「だから、んなことしてねぇって。とりあえず来れるなら来いよ・・・・・・・・わかったよ、じゃあな。」


そう言って電話を切った和也は、私と視線を合わせると溜息混じりにこう言った。


「やべぇ・・・凛、めっちゃ怒ってる。今から来るって。」


そう言いながらも、何故か少し楽しそうだった。
私は凛がすぐ来るということを聞くと、すごく安心した。

かと言って、和也と2人が居心地が悪いとかそういうわけじゃなかったけれど、今はなんとなく凛の傍に居たいとそう思っていたからだ。



それから暫くして、息を切らした凛がやってきたのは私達がちょうどお菓子を食べながら英語について喋ってる時だった。