「それから、俺らもなんとか凛を守ろうと必死だったよ。だけど凛はそれを拒否した。自分のことは放っておいてくれって。元はと言えば、俺らが全部悪いのに凛は一切俺らを責めなかった。」
和也の声音がとても苦しそうで、余計に胸が痛む。
「まぁ、それからは俺らも心を入れ替えたし、凛も学校以外では普通に元気だし、何よりその話をすると凛は口も聞いてくれなくなるから、いつの間にかその話はしなくなったんだ。でも、学校では相変わらず凛は口聞いてくれねぇけど。」
和也はそう言って自嘲気味に笑った。
私は何だか凛を思って言葉に詰まった。
虐められたり、嫌がらせされることは、私にも分かる。
それがどんなに理不尽で、しんどいことなのかってことも、私は知っている。
何とも言えない感情が胸に込み上げる。
「だから、この前凛がかなう連れて来た時、ほんとにびっくりしたんだ。祐希はかなうと凛のこと知ってたみたいだけどな。アイツ前から俺と愁と晃に怒っててさ、だから俺と愁に晃に黙ってやがったんだよ。反省しろって言われたし。」
和也はそう言ってまたいつものように笑った。
その笑顔がなんだか辛そうに見えて、私も曖昧に微笑んだ。