「でも、結局俺らは自分達のことばっかで、凛のそんな変化をただのそういう時期だって事でうやむやにしてた。」
和也はそう言って、何だか辛そうに溜息を吐いた。
「だけどさ・・・凛はどんどん派手になってって、おかしいって俺らが気付いた時には、もう手遅れだったんだ。凛が付き合ってた男ってのが、この辺じゃ知らないやつが居ないくらいヤバイ先輩で、何で凛がそんな男と付き合ったのか俺らは訳が分からなかったよ。」
「・・・・。」
私は凛のことを考えて、何だか切ない気持ちになった。
「凛はいつの間にか煙草吸ったり、夜な夜な出掛けたりしてた。流石に心配になったから、凛が溜まり場に顔出した時に説教したんだよ。いい加減にしろってさ。でも、いい加減だったのは俺達だったんだよ・・・。」
「どう・・・して?」
「凛は学校で嫌がらせされてたんだよ。俺らが適当に遊んでた女達から。それだけじゃねぇな、他の学校の女にも目付けられてたんだ。俺らがいい加減なばっかりに。」
「・・・そんな・・・。」
「凛が何されたかはわかんねぇけど、とにかく俺らのせいで凛がそんな事になってるなんて俺達は気付きもしなかった。だから凛は自分を守るために、その先輩に自分から近づいたってその時泣きながら言ってた。」
私は凛のことを思い、なぜだかとても悲しい気持ちになった。