そしてママに余計な心配をかけない様に、私はママの作ってくれた朝食を残さずに食べた。
「それだけ食べれればもう大丈夫ね。」
ママは沢山食べる私を見て、ご機嫌にそう言った。
正直お腹が苦しくて吐きそうだったのは言うまでもない。
「ごちそうさまでした。」
私がそう言ってテーブルを立ち上がった瞬間、リビングのドアが開いた。
私はなぜか咄嗟にその場所から視線をそらせた。
「おはよー。腹減った。」
中に入って来たのは案の定、兄達だった。
「ちょっと、朝からなんて格好してんの!?」
ママの怒鳴り声に思わずちらりと盗み見ると、レオンは上半身に制服のYシャツをひっかけてだらしなくズボンだけを履いてる。
「本当にあんたはだらしない!!」
「はいはい、着るよ心配しなくても今から着るから。」
ママがテーブルを叩いたので、食器がカシャンと音を立てた。
「アンナが居るのに、少しは気を使ったらどうなの!?」
ママの怒りは収まるどころか、ヒートアップしている様子だった。
不意に名前を出されて一瞬ギクっとしたけれど、私は気付かれないうちにこっそり部屋を出るタイミングを見計らった。