それから何分くらい経っただろうか、熱に魘されながらうとうとと、浅い眠りを繰り返していた私は、またまた部屋のドアが開く音で目が覚めた。
もう正直身体がだるすぎて、静かに眠らせて欲しいと思った。
寝返りを打ってゆっくりと目を開けると、そこには部屋着に着替えて水と薬を片手に歩いてくるシオンの姿があった。
私はまた毛布を引っ張り上げた。
だけれど次の瞬間、私の毛布は顔の下まで引っ下げられた。
「・・・飲め。」
シオンは薬を取り出すと、私の目の前に水と一緒に差し出した。
薬を見ると、途端に吐き気がして私は首をふるふるとした。
「・・・・ただの解熱剤だ。」
シオンはそう言って、更に私に薬を近づける。
「・・・吐きそ・・・う。」
私は何とか声を出してシオンにそう伝えた。
シオンはそんな私を一瞥すると、大きく溜息を吐いた。
「飲まなきゃ熱下がらないだろ。」
「・・・・だいじょ・・・ぶ・・・。」
「・・・・。」
「・・・・寝か・・・せて。」
少しでも眠ればきっと楽になる。
私はなんとかシオンにそう伝えた。
これできっと、そっとしておいてくれるだろう。
だけれど、シオンは私の予想とは真逆の行動をとった。