近づかれて、思わず身体が強張る。
だけれどシオンはお構いなしに、部屋の明かりを落とすと、私をベッドに組み敷いた。

「・・・ダメだよ・・・ママも居るよ?」

私の首筋に顔を埋めるシオンに、そう言ってみたけれど返事はなかった。
代わりに首筋に舌が這う感触がして、私は背筋がぞくりとした。

途端に不安になる。
やっぱり最近のシオンはおかしい。

「ねぇ・・・だめだよ。」

私はもう一度そう言ってみたけれど、シオンはイラついた様に、強引に私の上着を捲り上げた。

下着を着ていなかったせいで、貧相な身体が露になる。

シオンは態度とは裏腹に、優しく私の身体に指を這わせた。

その行動に、私は諦めて目を閉じた。
どうせ抵抗したところで、シオンはやめてくれないだろうし、何より私には拒否する権利はない。

なので私は、声を出さないように唇を噛み締めた。



この日のシオンは、いつもよりも長い時間を掛けて私を抱いた。


だから私は声を出さないように必死だったし、私が少しでも声が出そうになると、シオンは直ぐにそれを察知して、その大きな手で私の口を押さえたり、自分の唇で塞いで、私の声を奪った。


態度は少し乱暴だったけれど、触れる指先や身体は何故かすごく優しかった。



結局―――――。

私が息も絶え絶えに、ようやく開放されたのはもう夜が明ける寸前だった。

ベッドにぐったりと横たわる私に、シオンはいつもの様に優しく額にキスを落とすと、静かに部屋を出て行った。




私はその後姿をうっすらと確認すると、直ぐに意識を手放した。