――――あの日は晴れだった。 玄関を開けた私の視界に映った光景を 私は一生忘れないだろう。 目の前で力なく揺れる2本の足が それが事切れてから、時間が経過していることを感じさせた。 窓から吹き込む風が、妙に生暖かく頬を掠めたのをなんとなく覚えている。 叫び声、パトライト、救急車のサイレン。 何人もの足音が響き渡り とても耳障りだった。