私はベッドの上に置かれた携帯を手に取り、時間を確認した。

朝の7時。
確か昨日は2時くらいには寝たはずなので、今日はいっぱい眠れた。

携帯には、まだ凛ちゃんからのメールはなかった。
約束は午後なので、まだ時間は充分ある。

私はベッドから起き出すと、無造作に置かれたいつものパーカーを手に取り、それを着て部屋を出た。

いつものように顔を洗って、そのままリビングに向かう。


リビングのドアを開けると、珍しくシオンとレオンが揃ってソファに向かい合って座ってた。
ソファのテーブルには、教科書やらノートやらが乱雑に置かれている。


「あーちゃん、おはよー。」


私の姿を確認すると、レオンがシャーペン片手に欠伸混じりにそう言った。


「おはよう。」


私は二人に向かってそう言って、いつものようにキッチンに向かう。

ちらっと様子を伺うと、シオンは私の方すら見もせずに、何か黙々とノートを書き続けている。
それはいつもと同じ様子だったので、私はきっと昨日の事は気にしてないんだろうと思う事にした。

何より変に意識して、それを思い出されるのも嫌だった。