お湯はすぐに沸いて、私はティーポットに茶葉を入れてお湯を注ぐ。
湯気と一緒に、紅茶のいい香りが立ち上る。
私はそれをお盆に乗せて、二人分のカップと一緒にテーブルに運んだ。


「ありがとう、アンナ。」

ママにカップを差し出すと、ママは優しい笑顔でそう言った。
私も自分のカップに紅茶を入れると、ママの向かいの椅子に座る。

「最近忙しくてね、ごめんね。何かあったりしない?大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ。」

ママとは基本すれ違いが多いので、こうして顔を合わせると、ママは色々聞いてくれたり話してくれたりする。

だから、私はママがいる時はほとんど傍に居ることが多い。
それに今日は、明日の病院のことを伝えなくちゃいけない。

忙しいと言ったママは、きっと疲れているに違いないから、私は早速本題に入った。

「あのね、ママ。」

「うん?」

「明日、病院に行こうと思うの。」

「明日?あぁ、明日土曜日か。だから夜更かしさんなのね。」

ママはそう言って笑った。

「病院、何時からだっけ?」

「1時からだよ。」

「どこか具合悪いの?」

ママはそう言って、私の顔をじっと見つめた。